「2021年 大角龍太朗の今」
2021年10月27日(水) 新宿club SCIENCE nurié
大角生誕ワンマン「大角を祝ってよ!3 rd」 開催直前インタビュー
「2021年 大角龍太朗の今」
2021年10月27日、nuriéのヴォーカル、大角龍太朗は26歳の誕生日を迎える。2021年の今、大角龍太朗とはどんな人物なのか? そして、今年の誕生日を迎えて彼はどんな1年を歩んでいくのか? このインタビューは、1年後の大角龍太朗に同じ質問をすることを踏まえて行った。未来への想像を膨らませながら、現在の彼の心の中を紐解いていく。
◆みんなの気持ちを背負ってステージに立ちます
Q:今朝起きて最初にしたことは?
大角:シャワーを浴びました。一日の始まりはシャワーを浴びることからから始まりますね。
Q:現在のInstagramのフォロワー数は?
大角:1,560人です。
Q:今、気に入っているアーティストは?
大角:Suspended 4thと藤井風ですね。Suspended 4thは「ブレイクアウト・ジャンキーブルースメン」がめちゃめちゃかっこよくて、MVの世界観も好きです。藤井風は「もうええわ」が好きです。
Q:好きな映画は?
大角:是枝裕和監督の『万引き家族』。考えさせられる映画でした。
Q:今、音楽以外ではまっていることは?
大角:カメラですね。最近、SONYのα7 IIIを買いました。今は風景とかを撮っていますが、将来的にはポートレイトが撮ってみたいなと思っています。
Q:明るいニュースは?
大角:Zepp Hanedaで行われる、アルルカン主催イベント「束の世界-SONOSEKAI-」に出演が決まったことです。発表の日はスタジオにいて、メンバー全員で携帯を囲んで、アルルカンのYouTubeの生配信での発表を見ていたんですけど、決まった瞬間に全員で叫びました。びっくりして頭が真っ白になりましたね。今まで小さいライブハウスでしか演ったことがないので不安もありますが、当日は、ステージからどんな風景が広がっているのだろう? 自分の気持ちがどう変わるのだろうか? ということが楽しみですね。
――nuriéのヴォーカリストとして、様々な思いを背負ってステージに立つことになるかと思います。
大角:このイベントに出たいと手を挙げて出られなかったバンドからも「おめでとう」と言ってくれました。チケットの倍率もすごかったので、チケットが取れなかったファンもたくさんいます。みんなの気持ちを背負ってステージに立ちます。いつかnuriéがZepp Hanedaでワンマンライブを行って、今回チケットが取れなかった人をZepp Hanedaに連れていけるような未来に繋がる一日にしていこうと思っています。
Q:音楽以外の目標は?
大角:洋服がすごく好きなので、自分のブランドを作ってみたいです。自分が好きなブランドに、自分自身を取り上げてもらえることもあったら嬉しいですね。
Q:ヴォーカリストとして最大の出来事は?
大角:nuriéでの初めてのワンマンライブ(2019年12月21日@新宿スタークレーン)のときに、満員のライブハウスを見たときに、自然と涙が出たことです。nuriéを組むまで、3年ほど、メンバーを探すためにソロのプロジェクトをやっていました。バンドのメンバーが見つからなくてもどかしかったり、その間に同期や先輩後輩が、どんどん先を進んでしまう姿を見ていて苦しかった時期がありました。そういった記憶が、nuriéの初のワンマンライブのステージに立った瞬間にフラッシュバックして、1曲目から涙が出てしまいました。
Q:音楽業界をどう思いますか?
大角:僕は事務所とかにも入ったことがないので、実際の音楽業界というものをあまり知らないんですけど、音楽自体がラフに消費される時代になってきたなと思っています。今は、SNSなどで、音楽が簡単に聴けてしまいますが、だからこそ、どれだけアーティストがアプローチできるかが肝になってくるのではないか? ということは常に考えていますね。
◆努力をする価値はある
Q:努力する価値はありますか?
大角:もちろんあります。努力をしているときは苦しいなと思っていても、身につけたものは、自分自身のキャパシティを広げていくことに繋がっています。例えば、難関が立ちはだかったとしても、努力をした時間があったから対応ができる。努力の価値はありますし、例えその努力がすぐに報われなくても、僕は努力をする価値はあると思いますね。
Q:昨年より自信がつきましたか?
大角:そうですね、自信はつきました。昨年は、新型コロナウイルスの影響で配信ライブが活動のメインになっていて、ファンがいない空間に向かって歌い続けている時は、しっかり届いているのだろうか? と考えていたこともありました。けれども、だんだん有観客でのライブができるようになったときに、僕たちのライブにたくさんの人が集まってくれたりとか、自分の歌、音楽、そして言葉で、涙を流してくれる人を見たりすると、やっぱりすごく自信に繋がりますよね。
Q:1年前と違って重要になったことは?
大角:自分自身がもっとわがままでいること。1年前というより、nuriéが始動した2年前の僕と今の僕とでは考え方が全く違うんですよ。メンバーと良い関係を築くためには、お互いがリスペクトをして、気を使う部分は気を使わなければいけないと思っていました。だけど今年は、ヴォーカルとして制作をするにあたって、わがままじゃないと、この先のnuriéの道を切り拓けないなという危機感をすごく抱きました。だから、今、自分がよりわがままになるということが重要になっていますね。
Q:最も苦労していることは?
大角:今話した「わがままでいること」が最も苦労していますね。今までの自分とのギャップがあるんです。僕は、周りに気を使う性格でもあるので、わがままになる部分が難しかったりしています。今まで気を使いすぎて生きてきた人生だったので、本来の自分を表現するために、引き剥がさなければいけない仮面のようなものが多すぎて、すごく苦労していますね。
でも最近は、「思い切って、べりっと剥がさなければダメだ」と思っていた考え方が、「自然と自分と混ざっていく感覚にしていけばいいのではないか」と思えるようになってきたので、少しずつこの苦労も穏やかになってきていますね。
Q:今の癒しは?
大角:猫かな。飼っている猫のとらが癒しです。
Q:今、何が欲しいですか?
大角:ライブで使う音楽機材が欲しいですね。イヤモニが壊れてしまったので、新しいものを買おうと思っています。それから、ずっと有線マイクにこだわってライブを演っていたんですけど、最近は、新しいワイヤレスマイクを使ってみようかなと考えています。
Q:やってみたいことは?
大角:いろいろありますね。オートバイに乗ってみたいですし、ライブのカメラマンもやってみたい。自分がどれだけ最高の瞬間を撮ることができるか、自分のカメラの腕の力試しにやってみたいですね。今まで撮られる側だったので、かっこいい写り方というのは理解しているつもりではいるんですよ。ステージに立つ人間として「こういう写り方の写真が欲しいな」ということを理解しているので、自分だったら、アーティストがここを撮って欲しい! と思う瞬間にシャッターを押せるじゃないかなと思います。それから、デザインをもっと仕事にしたいです。今回のバースデーワンマンライブでも僕がデザインした「大角生誕記念Tシャツ」を完全受注生産で販売します。自分の悩みとか葛藤をしっかりデザインできたTシャツになっていますので、楽しみにしていて欲しいです。
◆nuriéは僕の言葉やメンバーの奏でる音がしっかり届くバンド
Q:もっと影響を与えられると思いますか?
大角:思います。nuriéは僕の言葉やメンバーの奏でる音がしっかり届くバンドだと思うので、影響を与えられると思いますね。
――どんな影響を与えられる存在になりたいですか?
大角:1番伝えたいことは「人としての心を失わない人間になって欲しい」ということ。「人として人で在る様に」(2020年8月14日発売の2nd single)の歌詞で書いていることがまさに僕の本音です。匿名で悪意を書いたりとか、そういう汚い人間にはなって欲しくないですね。
――今は人としての心が問われる時代だと思います。
大角:特にこの時代になって、すごくそういうことが見えすぎたというか。僕ら自身もコロナ禍になって、さらに怒りを感じるようなこともありました。そういうときに、自分たちの音楽を通して「こういうことをしてはダメだな」というふうに、人の心を思いとどまらせ、考え方を良い方向に変えられる影響を与えられたらという思いはありますね。人は傷つけてはいけないという心を持つべきだと思いますし、その思いを多くの人が持つことで、優しい世界があるんじゃないかなと思います。
Q:1年前の自分にアドバイスをするなら?
大角:「もっとわがままになっていいよ」と言ってあげたいですね。
Q:nuriéは1年後にどうなっていたいですか?
大角:今よりもワンランク上の対バンをしていきたいです。アルルカン主催イベントに呼んでいただけるという嬉しいことが決まりましたが、この経験のあとには、アルルカンと対等に対バンをしたいので、そういうバンドになれるように動いていきます。それから、ずっと叶えたいことの一つなんですが、アニメとタイアップをしたいという目標があります。いつかアニメの主題歌ができるようになりたいですね。
Q:1年後の自分はどうなっていたいですか?
大角:今、考えることがすごく多くて。ステージに立ったときに余裕がない部分もあったりするのが本音です。だから、1年後には、もっとラフにステージに立てるようになりたいですね。
Q:最後に、誕生日に行われるワンマンライブに向けての意気込みをお願いします。
大角:大角生誕がメインにはなっていますが、今後のnuriéに繋がっていくライブになります。10月27日のワンマンライブから、11月14日にはアルルカン主催イベントの出演があって、12月17日にはアメリカ村FANJ でのフリーワンマンライブがあります。これからのnuriéにとって、すごく大事な時期のライブなので、ぜひ観に来てください。
(文・武村貴世子)